骨粗しょう症や外科疾患の治療薬の中にビスフォスフォネートといわれる種類のお薬があり、注射剤と飲み薬があります。

全身の骨では破骨細胞が古い骨を溶かして骨芽細胞が新しい骨をつくる新陳代謝が常に行われています。ビスフォスフォネートは破骨細胞の機能を抑制し、骨の吸収を抑制すると考えられている骨粗しょう症に非常に有効なお薬です。

ところが海外では2003年頃からビスフォスフォネートの注射剤を使用している患者さんの一部で顎骨壊死が起こっていることが報告されてきました。

また、日本でも2006年頃から同じようなケースの報告が増えてきました。なぜ顎骨の壊死が特異的に起こるかははっきりしていませんが、あごの骨の中でも特に薄い粘膜で覆われている部分に発生しやすいことや歯周病などの感染性歯科疾患のある場合に起こりやすいことがわかっています。

また、ビスフォスフォネート注射薬との関連性が高いことも明らかになっています。服用期間が長期間になると経口薬でも顎骨壊死の危険性があがるという報告もありますが、はっきりはしていません。今後も研究がおこなわれ関連性が解明されていくとは思いますが、現段階では口腔内の精査をおこない、できるだけ清潔な状態に保つことが我々のできる対処法と考えられています。

先にも述べましたが、ビスフォスフォネートはとても効果的なお薬です。使用されている患者さんは、このような話があるからといって必要以上に心配したり、自分の判断で休薬をしたりすることのないようにしてください。

但し、骨粗しょう症の方でビスフォスフォネートを病院で注射を継続的に受けている場合や継続的に内服している場合は歯科治療を受診する時に担当歯科医師へその旨をお話しする事が大切です

病院と歯科医の間でビスフォスフォネートの投与期間を調整して慎重に治療を進めることになります。 又、これからビスフォスフォネートの投与を予定している骨粗しょう症の患者さんは投与開始前に積極的に歯科検診を受け、抜歯などの外科的処置が必要な場合はビスフォスフォネート投与前にその処置を完了しておくことが強く推奨されています

ビスフォスフォネート製剤
1.注射用製剤
アレディア、オンクラスト、テイロック、ビスフォナール、ゾメタ
2.経口製剤
ダイドロネル、フォサマック、ボナロン、アクトネル、ベネット